東京近江寮食堂で味わう滋賀の郷土料理たち｜心を癒す料理小説の魅力

『東京近江寮食堂』で味わう滋賀の郷土料理たち

渡辺淳子さんの小説『東京近江寮食堂』は、滋賀の郷土料理を通じて人と人の心をつなぐ、優しさあふれる物語です。今回は作品に登場する魅力的な料理に注目してご紹介します。

登場する料理たち

滋賀・長浜地方の郷土料理。甘辛く煮た鯖をそうめんにのせた一皿で、妙子が初めて皆に振る舞う近江の味。見た目のインパクトと、心まで染み渡る味が印象的です。

近江八幡の名物。赤色のこんにゃくは鉄分由来の色で、東京の人には驚きとともに受け入れられていきます。妙子の「普通ですけど…？」という一言もほっこり。

すき焼き風の鍋料理で、近江牛や野菜がたっぷり。みんなで鍋を囲む場面では、人と人の距離がぐっと縮まり、物語のターニングポイントに。

料理はただの食事ではなく、登場人物の心を癒し、人生を支える大事な存在として描かれています。妙子の優しさが滲み出るその一皿一皿に、読者もきっと癒されるはず。

『東京近江寮食堂』を読み終えると、誰かにご飯を作ってあげたくなります。郷土の味を通して人とのつながりを感じられる、あたたかな一冊。ぜひ読んで、そして感じてみてください。

東京近江寮食堂 (光文社文庫)
渡辺淳子著