商売繁盛の願いを込めて── 信楽 たぬきに込められた“八相縁起”の秘密(その2)
信楽 たぬきには、ただの焼き物では終わらない「意味」が詰まっています。

たぬきという動物は、日本では古くから「他抜き(たぬき)」=他に抜きん出る、という語呂合わせで商売繁盛や勝運の象徴とされてきました。これに着目した信楽の職人たちは、たぬきの形をただの動物の再現ではなく、「縁起物」としてデザインしていったのです。
そこに生まれたのが「八相縁起」。信楽たぬきには以下のような縁起が込められています:
- 笠:災難から身を守る
- 目:物事を正しく見る
- 顔:愛想よく信頼を得る
- 通い帳:信用を大切にする
- 大きなお腹:落ち着きと大胆さ
- 金袋:金運・財運
- 太いしっぽ:終わりの安定
- 大きな玉(睾丸):子孫繁栄・豊穣の象徴
こうした意味がひとつに込められた信楽たぬきは、縁起物として店先や玄関先に置かれ、多くの人に愛されています。とくに飲食店や旅館では「商売繁盛」の願いを込めて飾られることが多く、地域によっては独自のカスタマイズが施された個性的なたぬきも見られます。

アクセス方法
- 電車:JR草津線「貴生川駅」から信楽高原鐵道「信楽駅」下車。
- 車:名阪国道「壬生野IC」から約20分、新名神「信楽IC」からもアクセス可。
体験できること
- たぬきの絵付け体験
- 縁起講座や工房見学(要予約)
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