古代から続く“薬の山”〜伊吹山の薬草文化〜
伊吹山は古来より「薬の山」として知られ、その豊かな自然環境が多様な薬草を育んできました。日本書紀や平安時代の文献にも伊吹山の薬草が記録されており、歴史的にも貴重な薬草文化が根付いています。

伊吹山の薬草の特徴
標高1377メートルの伊吹山は、山頂から麓まで多彩な気候帯を持ち、約1200種以上の植物が自生しています。特に薬効が高いとされる草花が豊富に見られ、古代の人々はこれらを採取し、医薬品や治療に活用しました。

■ よもぎ(蓬)
• 薬効:止血、健胃、冷え性改善、婦人病対策など
• 特徴:もぐさ(お灸の材料)にも使われる、日本を代表する薬草。伊吹山のよもぎは特に質が高いとされ、古来から珍重されてきました。

■ ドクダミ(十薬)
• 薬効:利尿、便秘改善、デトックス、抗菌作用
• 特徴:「十薬」の名の通り、十種の効能を持つといわれる万能薬草。独特のにおいがあるが、乾燥させるとお茶として飲まれる。

■ センブリ(千振)
• 薬効:健胃、食欲増進、消化促進
• 特徴:「千回振ってもまだ苦い」と言われるほどの強烈な苦味。古来より胃薬として使われ、戦国武将も愛用したという記録も。

■ オトギリソウ(弟切草)
• 薬効:傷の消毒、鎮痛、抗炎症作用
• 特徴:葉に黒点があるのが特徴。民間療法では、切り傷やすり傷に利用されてきた。

■ カワラヨモギ(河原蓬)
• 薬効:健胃、解熱、鎮痛、駆虫
• 特徴:よもぎに似ているが香りがやや異なる。漢方薬「藿香正気散」などに配合されることもある。

■ トウキ(当帰)
• 薬効:冷え性、貧血、月経不順の改善
• 特徴:セリ科の多年草で、特に女性のための薬草として知られる。根の部分を乾燥させて用いる。
歴史に刻まれた薬草の記録
日本書紀では、伊吹山の草木を用いた薬が朝廷に献上された記述があります。平安時代の医学書にも伊吹山の薬草の効能が紹介されており、山全体が「薬の宝庫」として尊ばれてきました。

詳しくは「伊吹薬草の里」へ
伊吹山の薬草文化をより深く知りたい方は、ぜひ米原市の「伊吹薬草の里文化センター(通称:ジョイいぶき)」へ行ってみてください。
施設情報
- 住所:滋賀県米原市春照37
- 電話番号:0749‑58‑0105
営業時間・定休日
- 全館(薬草園・ホールなど):8:30~21:30
- 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休)、年末年始(12月28日〜1月4日)
- 薬草湯(薬草風呂):12:30~19:30(夏期の土日祝は11:30〜)
アクセス
- 車:名神関ヶ原IC・北陸道米原IC・木之本ICから約15〜20分
- 電車+バス:JR東海道本線「近江長岡駅」より湖国バス「伊吹登山口行き」で約6〜10分、「ジョイいぶき」停留所下車すぐ
駐車場
- 無料駐車場あり(約150〜180台分完備)
料金
- 入場無料(薬草園など共用スペース)
- 薬草湯:大人600〜620円、小学生以下300円前後(市内・市外で料金差あり)
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