【滋賀・近江鉄道】電車マニアにも必見 レトロ車両を見るなら

近江鉄道車両 滋賀

まるで“動く博物館”──近江鉄道で昭和にタイムスリップ

近江鉄道の歴史──滋賀の大地を走り続けて120年以上

近江鉄道は、滋賀県東部を中心に展開する私鉄で、1896年(明治29年)に設立されました。初めての開業は1898年(明治31年)、彦根〜愛知川(現在の愛知川駅)間で、以来、地域に根ざした鉄道として発展してきました。

明治・大正期には延伸を重ね、現在の本線・多賀線・八日市線の基礎が築かれました。戦時中や戦後の経済的な制約を乗り越えながらも、地域住民の生活を支える交通インフラとして、地道な運行を続けてきました。

また、近江鉄道はもともと西武グループの傘下であったこともあり、その影響で車両の多くは西武鉄道からの譲渡車両です。これにより、昭和〜平成初期に活躍した名車両が今も現役で活躍し、鉄道ファンから「動く博物館」として親しまれています。

現在の近江鉄道では、新造車両の導入がなく、すべてが譲渡車(いわゆる中古車)で構成されています。
そのため、首都圏ではすでに見られない形式が現役で走る“動く博物館”のような存在に。
ローカル線ならではののんびりとした車窓風景とともに、懐かしい電車の旅が楽しめます。


現役で活躍する車両たち

モハ800形

元・西武401系をベースにした車両で、1980年代に近江鉄道へ譲渡されました。丸みを帯びた先頭車両と、鋼製車体が特徴です。落ち着いたベージュとブラウンのツートンカラーが、近江の風景によく馴染みます。近江鉄道の主力として、各路線で活躍しています。

モハ900形

こちらも西武鉄道からやってきた元・701系の車両で、近江鉄道の中でも比較的新しいタイプに分類されます。前面のデザインが角ばっており、やや近代的な印象。冷房付きで、通勤・通学の足としても重宝されています。

モハ900系

モハ100形

1950年代に製造された、近江鉄道オリジナルの生え抜き車両。木造車から鋼製車体へと移行した過渡期の姿を残しており、まさに「走る昭和博物館」。窓枠や内装の細部に、古き良き時代の匂いが漂います。運用されることは少なくなっていますが、イベント列車などで出会えることも。

モハ300形

モハ100形と同時期に活躍していた仲間で、車体構造は似ているものの、より簡素な設計がなされています。車内は素朴ながらも味わい深く、どこか郷愁を誘う空間です。こちらも保存的な意味合いで残っており、不定期運行される場合があります。


おすすめの乗車区間とアクセス

  • 彦根駅〜八日市駅〜近江八幡駅の本線区間は、近江鉄道の代表的な路線。観光とセットで楽しめます。
  • 新八日市駅鳥居本駅五個荘駅などは、昔の木造駅舎が残る駅もたくさんあり、観光名所としてもとしても有名です。
新八日市駅

時代とともに生きる鉄道

大手私鉄で役目を終えた車両たちが、近江鉄道で第二の人生を歩んでいます。 駅間の距離も短く、車内アナウンスや運転手さんとの距離も近いこの路線では、 車両そのものが街の風景の一部として溶け込んでいます。 現在4形式のみとなった近江鉄道の車両ですが、その一両一両には長い歴史と物語が詰まっています。


電車に乗るだけで、どこか心がほどけていく──そんな体験が、ここにはあります。

近江鉄道

おわりに

「近江鉄道」は、単なる交通手段ではなく、地域の歴史や文化そのもの。
今も走る懐かしの車両たちは、日々の暮らしに寄り添いながら、どこか郷愁を誘います。
あなたも一度、レトロな電車に揺られながら、近江の旅に出かけてみませんか?


路線図・時刻表

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