小学5年生の特別な1日──琵琶湖の学習船「うみのこ」に乗って
滋賀県で育った人なら、誰もが一度は乗ったことがあるはず。
小学校5年生の学習船体験──それが「うみのこ」です。

子どもたちは、琵琶湖に浮かぶこの船に乗り込み、
自然や環境について体験を通して学ぶ、特別な一日を過ごします。
大人になってからも、「あのときのうみのこは忘れられない」と語る人は多いのではないでしょうか。
学習船「うみのこ」とは?
「うみのこ」は、滋賀県が1978年(昭和53年)に始めた体験型の環境学習プロジェクトで、
県内すべての小学5年生が琵琶湖の上で学ぶ、という全国でも珍しい取り組みです。
初代の「うみのこ」は1983年に就航し、以来、世代を超えて県民に親しまれてきました。
現在は2代目の学習船「うみのこ」が活躍しており、船内では琵琶湖の生き物を観察したり、
水質調査をしたりと、教室では味わえない学びがいっぱい詰まっています。
忘れられない、船上のカレー
そんな「うみのこ」で、もう一つ忘れられないのが「カレーライス」。
船の厨房でつくられる、あたたかくてやさしい味のカレーは、
朝から湖上で活動した子どもたちにとって、ごちそうそのもの。
「うみのこカレー、おかわりした!」
「また食べたいと思ってた!」
そんな声が続出するほど、船上での食事の記憶は色濃く残ります。
あの味が家でも?──コンビニで発売された「うみのこカレー」
実はこの「うみのこカレー」、過去に滋賀県内のローソン限定で商品化されたことがあるんです。
当時は滋賀県のご当地メニューとして注目され、「懐かしい!」という大人たちの声と、
「乗ったことないけど食べてみたい!」という子どもたちの声で話題に。
味はもちろん、パッケージにも「うみのこ」の船がデザインされていて、思い出を呼び起こす仕掛けも。
今はもう店頭では見かけませんが、再販を願う声も少なくありません。
「うみのこ」が教えてくれたこと

琵琶湖の雄大さ、自然の美しさ、そして仲間と過ごした特別な時間。
「うみのこ」での経験は、滋賀の子どもたちにとってかけがえのない記憶です。
そして、大人になった今、ふとした時にあのカレーの香りや、船のデッキで感じた風を思い出す。
それは、滋賀県で育った証しなのかもしれません。
琵琶湖就航の歌と、うみのこの記憶
うみのこの思い出とともに、多くの人の記憶に残っているのが「琵琶湖就航の歌」。
♪ われは湖の子 さすらいの── という印象的なフレーズは、今も多くの滋賀県民が口ずさめるはずです。
われは湖の子 さすらいの
旅にしあれば しみじみと
のぼる狭霧や さざなみの
志賀の都よ いざさらば
船の甲板で、風に吹かれながらこの歌を歌った思い出を持つ人も多いのではないでしょうか。
「うみのこ」は、ただの学習船ではなく、琵琶湖と向き合うことで滋賀というふるさとを体感する時間でした。
うみのこ乗船場所とアクセス
問い合わせ先:滋賀県教育委員会 または 各市町村教育委員会
乗船地(例):米原市・今津港・彦根港・大津港など、年によって異なります
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